〜 2022年 くむんだー郡上の活動報告 〜

■2022.12.12

<第40回 くむんだーワークショップ> @関市立 洞戸小学校

岐阜県関市では初めてとなる、くむんだーワークショップを関市立洞戸小学校にて開催しました。

 

昨年まで郡上市内の小学校に勤務されていた先生が、昨年のワークショップで児童たちが本当に楽しそうに参加する姿を見ておられ、洞戸小学校でもぜひ開催したいとのことで、今回のワークショップが実現しました。参加したのは、1・2年生の25名です。当日の朝はグンと冷え込んだので、みんな裸足で大丈夫かなと心配したのですが、子どもたちは裸足になるとすぐに体育館を走り回って元気そのものでした。

 

小学生低学年の場合、柱や貫などの組み立ては私たちスタッフが行い、子どもたちにはクサビを打ってもらう、というケースが多いです。今回は思い切って7スパン×7スパン×7段の組み立てを2年生に任せてみたところ、みんなとてもよく動いて難なく組み立てを行ってくれました。とても頼もしく感じました。児童たち自身も達成感を感じたことでしょう。組み立てた「くむんだー」は数日間体育館に設置して、全校児童で遊びます。

 

洞戸小学校は長良川の支流である板取川に面し、周囲を山に囲まれた自然豊かな環境を有しています。森林面積も広く、林業も盛んに行われていますので、今後この地域でも森林や環境教育が進んでいくのを期待しています。そして多くの子どもたちに、木や山、木造建築や木製品に興味を持ってもらい、身近な親しみをもって生活に取り入れてほしいと願っています。


■2022.12.2

<第39回くむんだーワークショップ>

@郡上市立 口明方小学校(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

口明方小学校での「くむんだーワークショップ」に5年生21名が参加しました。同校でのワークショップは昨年に引き続き2回目となります。

 

小学校の高学年が対象ですので、山と木の話に加えて環境の話も織り込みました。

 

木や植物は光合成を行う際に、CO₂を取り込みO₂を放出します。逆にわれわれ人間を含む動物は活動する際にO₂を吸い込みCO₂を吐き出します。そのことからも、山や野に生える木や植物と私たち人間を含む全ての生き物は共存共栄であることが分かります。木や森、山を守り保全することは、私たちの生活環境を守ることだけではなく、私たちの命そのものを守ることにつながるのです。そのことを、分かりやすく説明します。

 

くむんだーの組み立ては、児童に組み立て方や順序をきちんと説明し、児童たちの力で組み上げました。私たちスタッフは安全上の最低限の助言をするのみで、見守りに徹しました。初めのうちは分からずに戸惑っていたものの、段々と分かってくるにつれ、子どもたちの動きは活発になっていきました。

<児童たちからの感謝の声>

ワークショップ後に児童たちが感想文を書いて手渡ししてくれました。いくつか紹介して、当日の様子を振り返りたいと思います。

 

ーーーーーー

「私は、くむんだーを体験してすごく楽しかったです。初めは木だけでジャングルジムを作るなんて出来るのかなと心配でした。だけど完成したら達成感があってすごくうれしかったです。木だけでジャングルジムを作ったり橋を作ったりすることができていてすごいなと思いました。昔は家も木で作っていた事も分かって木は本当にすごいなと思いました。みんなと協力したり声をかけ合ったりしながらできたのですごく楽しかったです。くむんだー郡上のみなさんがたくさんのことを教えてくださったり、本当に見せてくださったのでいろいろな事を知ることができました。橋の昔話などもすごくおもしろかったです。本当にたくさんのことを知ることができたのでよかったです。くむんだー郡上のみなさん、ありがとうございました。」

 

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「私は一つもねじを使わずに作れると知ってびっくりしました。橋を作るときにも、ねじを使わず作っていてすごかったです。そして、マジックでは、さしたはずなのに、ぬくときずがついていなくてすごかったので、しかけを知りたいなと思いました。ねじを使わずにやったからあんまりじょうぶではないかなと思っていたけれど、じょうぶだったこともびっくりしました。そして家も、同じ作りになっていることを知れてよかったです。考え助け合いできたので、とてもよかったです。もくざいについていろいろ知れたので、さらに調べて、もっと知れるようにしたいです。」

 

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「今回ジャングルジムや橋などをくぎを使わずに作れるということを教えてくださってありがとうございました。ぼくは、くぎを使わずに作ると言われて、「くずれないの?」と思っていたけれど、作ってみたらぜんぜんゆれなかったし、とてもがんじょうですごいと思いました。しかも、ジャングルジムを組み立てるとき、とても頭を使ったのでむずかしかったこともあったけれど、くむんだー郡上の方々や友達とアドバイスをしあって取りくめてとても楽しかったです。」

 

ーーーーーー

「今回は、木の種類のことや、木と木の組み合わせ方などをとてもやさしく分かりやすく、教えてくださりありがとうございました。私は、前まで、すぎとひのきのちがいなどがあまり分かっていなかったです。でも今は、葉の形でちがいが分かりました。そして組み立てるときは、交ごにやってまちがっているときがあったら、分かりやすく説明してくれたのでよく分かりました。私は、前までジャングルジムを作るときは、ネジなどもいると思っていたけど、木だけでジャングルジムが作れるということを知りました。木だけでジャングルジムを作るのは、とても楽しかったです!!今回は、ありがとうございました!!」


■2022.12.1

<第38回くむんだーワークショップ>

@社会福祉法人翠峰福祉協会 妙高こども園(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

妙高こども園で、昨年に引き続き同園では2回目となる「くむんだーワークショップ」「くむんだーホームワーク」を行いました。

 

参加したのは幼稚園、保育園の年長児合わせて35名です。ワークショップの初めには、まず山と木の話をします。「長良川の源流をさかのぼっていくと山があり、その山には杉や桧がたくさん生えています。」と話が始まります。

 

今回から、杉と桧の葉をまず子どもたちに手にとってもらいました。杉と桧の葉は形も手触りも匂いもぜんぜん違います。子どもたちは初めて触る杉や桧の葉に興味津々です。その杉や桧は、私たちが吐く息を吸い込んで、きれいな空気に変えてくれることで、私たちがきれいな空気を思い切り吸うことができることも学びます。また、木の年齢はどうやって数えればよいのかも知ることができました。こうやって木や山に対する興味を深めたうえで、くむんだーの組み立てに取り掛かります。

 

今回は、みんなで力を合わせて、7スパン×7スパン×7段の大きなくむんだーを組み上げました。午後からは2階の遊戯スペースに「くむんだーホームワーク」用の、くむんだーを設置しました。ワークショップには参加できなかった年中や年少の子どもたちも「がんばれ、がんばれー!」と私たちを応援してくれました。

 

杉の素敵な匂いに包まれ、杉のやわらかさや感触を五感で感じながら、これから約1ヶ月間、くむんだーでたっぷりと遊んでもらいます!


■2022.11.21〜11.22

〈第37回くむんだーワークショップ〉@山県市 四国山香りの森公園 香りドーム

(令和4年度山県市内保育園くむんだーワークショップ業務委託)

岐阜県山県市内の全7保育園の年長児102名が、四国山香りドームに一堂に会し「くむんだーワークショップ」を行いました。

 

●11月21日

AM:伊自良保育園、富波保育園(年長児/合計25名)

PM:富岡保育園(年長児/26名)

 

●11月22日

AM:梅原保育園、大桜保育園、みやま保育園(年長児/合計27名)

PM:高富保育園(年長児/24名)

 

2日間にわたり、7スパン×7スパン×7段のくむんだー1台で合計4回のワークショップを行いました。 会場にバスで到着した園児は緊張した様子で、初めのうちはなかなかいつもの元気さが見られませんでした。でもマジックを見て心がほぐれた後に始まったくむんだーの組み立てでは徐々に調子を取り戻し、最後まで元気いっぱいに「くむんだー」と「鬼の橋」で遊びました。

 

保育園児対象のワークショップは2時間をかけて行います。くむんだーの組み立て~遊び~解体の流れの中に山や木の話を盛り込むと、2時間ぐらいが適当です。 「園児の集中力は持って15分間ですよ」とある保育士さんが教えてくれたことがあります。

しかし、今までのワークショップで数百人の園児と関わってきましたが、途中で飽きて投げ出した園児は、実は一人もいません。これはどの保育士さんも驚くことです。「くむんだー」はそれほど園児を熱中させる面白さや魅力にあふれていることの証でしょう。

 

天候にも恵まれ、けがをする園児もおらず、みんな存分に遊んで本当に楽しい2日間でした。

●2022.11.21 AM「伊自良保育園・富波保育園」

2022.11.21 PM「富岡保育園」

2022.11.22 AM「梅原保育園・大桜保育園・みやま保育園」

2022.11.22 PM「高富保育園」


■2022.11.18

<第36回 くむんだーワークショップ>

@郡上市立 相生小学校(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

相生小学校で「千年の釘にいどむ」「くむんだーにいどむ」の2つの授業を5年生17名を対象に行いました。

同小学校での「千年の釘にいどむ」の授業は8年目となります。

 

2時限目「千年の釘にいどむ」

3・4・5時限目「くむんだーにいどむ」

・・と4時限にわたり授業を行いました。

 

●「千年の釘にいどむ」

5年生の国語の教科書に、奈良薬師寺の再建時に白鳳時代の和釘を再現した土佐鍛治の白鷹幸伯さんを紹介する文章「千年の釘にいどむ」が掲載されています(新版では残念ながら掲載されていません)。白鷹さんが作った和釘を私(兼定)が持っていることから、8年前からこの和釘の歴史や打ち方を学ぶ授業を行っています。授業では実際に短い洋釘を打つことから始めますが、上手に打てる児童もいれば、途中で曲がったりしてなかなか上手に打てない児童もいます。釘が長くなるにつれて、きちんと打てる児童は減ってきます。白鷹さんの和釘は8寸(25㎝)もありますが、特有の技術を学んで全員の力で打ち込みます。

 

「昔の建物には釘を1本も使わない」というのに、薬師寺の再建には何万本もの和釘が使われています。

一体どういうことなのでしょうか?

 

●「くむんだーにいどむ」

くむんだーは日本の伝統的な木造建築をモデルとしています。柱・貫・クサビの3種の部材があるのみで、釘を1本も使わずに組み立てます。

 

では、先ほどの授業で学んだ白鷹さんの和釘はどこに使うのでしょうか?この疑問への問いかけから授業が始まります。実は和釘は屋根を作るのには必要不可欠なものです。軒の出の大きな屋根を作ることで、建物本体を雨や風から守るのです。この関連性を理解することで、昔の建物やくむんだーの意味合いがさらに理解できるのです。

 

今回は5年生は自分たちの力で6スパン×6スパン×7段のくむんだーの組み立てにチャレンジしました。最上段までを自分たちだけで組み立てたことは児童たちの大きな自信となりました。職員室では先生たちに「自分たちで組み立てることができたよ!」と喜んで報告してくれたそうです。

 

日本の伝統技術や木造建築、岐阜県や郡上の山や林業のこと、そして仲間と協力して大きなくむんだーの組み立てに挑戦したこと、など多くのことを4時限かけて学ぶ充実した1日となりました。「くむんだー」を中心にして、様々な学びや活動を展開できる恒例であり、好例ともなる授業でした。

●「千年の釘にいどむ」

●「くむんだーにいどむ」


■2022.11.15

<第35回 くむんだーワークショップ>

@円徳児童福祉会 まどか保育園(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

まどか保育園での「くむんだーワークショップ」「くむんだーホームワーク」には、年長17名、年中14名、年少8名の合計39名の園児が参加しました。

 

子どもの人数が39名と多いので、7スパン×7スパン×6段のくむんだー1台を全員で組み立てました。打ったクサビは500本余りになります。

始めのうちはおとなしかった園児たちも、みるみるうちに普段の元気さを取り戻し、楽しく和気あいあいと組み立てができました。

お遊戯ホールを取り巻いて各教室があるので、準備中や片付け中にも園児との距離が近く、アットホームな雰囲気でのワークショップとなりました。

 

午後からは「くむんだーホームワーク」用のくむんだーを設置しました。これから約1ヶ月間、子どもたちにくむんだーで存分に遊んでもらいます!


■2022.11.10

<第34回 くむんだーワークショップ>

@郡上市立 川合小学校(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

川合小学校では2回目となる、くむんだーワークショップを行いました。

 

「家庭教育学級」の活動として、1年生15名と保護者16名の31名が参加しました。1年生のほとんどの児童は、川合小学校のすぐ隣にある妙高こども園で、昨年にくむんだーを体験しています。今回はお父さんやお母さんとペアを組んで、自分たちでのくむんだーの組み立てに挑戦しました。

 

7スパン×7スパン×7段のくむんだーは、1本通しの貫で組むわけではありません。柱が8列立つので、8本の柱を串刺しにするわけですが、1本の貫だと長すぎて組みにくいので、5の貫(5本の柱を串刺しにする)と3の貫を組み合わせます。貫を同じ柱列で継ぐと構造的に弱くなりますので、継ぎ合わせる位置を交互にずらしていきます。大工の用語では「千鳥(ちどり)に継ぐ」または「両子(りゃんこ)に継ぐ」と言います。この両子継ぎの意味合いや要領が初めのうちは分からずにみんな戸惑っていましたが、形が出来上がっていくにつれ、どの親子もコツをつかみ、見事に大きなくむんだーを完成させることができました。

 

親子が力を合わせて1つのものを完成させるという機会にもなりましたし、みんなで共同作業する楽しさも経験することができました。「滑り台は付かないの?」とのリクエストに応えて、急遽滑り台も特別に取り付けました。数日間全校児童に遊んでもらってから、再び1年生と一緒に解体します。


■2022.11.8

<第33回 くむんだーワークショップ>

@社会福祉法人 慈教会 慈教保育園(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

慈教保育園にて、年長児25名を対象にくむんだーワークショップを行いました。

 

各保育園でのワークショップの冒頭では、子どもたちに郡上の山にまつわる話をします。神様にお礼を言ってから木を伐り、製材・乾燥し加工してくむんだーの部材となった杉の木を手にとって感触を確かめてもらいます。そして木の匂いを嗅いでもらい、「杉の木はおもい?かるい?」「杉の木はあったかい?つめたい?」「杉の木はかたい?やわらかい?」と問いかけます。子どもの答えはまちまちですが、この後に続くワークショップを通して、子どもたちそれぞれに木の良さや安心感を感じ取ってもらえるのではないか、と思います。

 

今回からは、そのお話の導入にマジックを取り入れてみました。子どもたちの反応は上々。くむんだーが組みあがった後に作った「鬼の橋」はみんな喜んで渡っていました。中には10回も渡った子どもがいてびっくりしました。

 

午後からは、くむんだーホームワーク用のくむんだーを設置しました。これから約1ヶ月間、園の子どもたち全てに楽しく遊んでもらいます。途中に滑り台の設置に行きますが、その時にはクミノワークショップも行います!


■2022.10.11

<第32回 くむんだーワークショップ>

@郡上市立 八幡小学校(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

八幡小学校では初めてとなるワークショップを行いました。

 

対象は5年生の2クラスの46名。各クラス1台づつの6スパン×6スパン×6段のくむんだーを組み立てました。くむんだーに初めて触れる児童も多く、事前にHPからくむんだー郡上のプロモーションビデオをみんなで見て、研究してくれたそうです。

 

高いところが平気な子もいれば、苦手な子もいます。そんな中で、いつもとは違ったハツラツぶりを見せる子供も中にはいて、それを見た先生が驚きの声を上げる光景はよく見かけますが、今回もありました。

 

3・4時間目と昼休みには、全学年の児童がくむんだーで遊んでくれました。午後からは5年生と解体を行いました。今回の体験がきっかけとなり、郡上の山、木、木造建築や木の製品に親しみを持ってもらえるようになればうれしいです。


■2022.10.6

<第31回 くむんだーワークショップ>

@郡上市立 三城小学校(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

三城小学校でのワークショップは、昨年度に引き続き2回目となりました。

 

午前・午後の3回にわたり、各学年が1台づつのくむんだーを組み立て、全部で6台のくむんだーが完成しました。

全校児童132名が、くむんだーの組み立てに挑戦しました。

 

(1・2時間目)

・1年生 21名 6スパン×6スパン×5段

・4年生 16名 6スパン×6スパン×6段

 

(3・4時間目)

・2年生 24名 6スパン×6スパン×6段

・5年生 28名 7スパン×7スパン×7段

 

(5・6時間目)

・3年生 21名 6スパン×6スパン×6段

・6年生 22名 8スパン×8スパン×8段

 

学年が上がり、くむんだーが大きくなるにつれて、組み立て方が複雑になってきます。初めのうちは戸惑っていた児童たちも、ある程度の形が出来て全体像が分かってくると、体の動きが俄然と早くなってきます。

ワークショップの全時間を通して、安全に関わることは注意して見ていますが、それ以外のことにはほとんど口を出しません。上手に出来たことやきちんと理解できたところはもちろん褒めてあげます。子どもたちが、自分のペースで自分のやりたいように、自分の好む場所で自発的に作業するのを見守ります。しかし不思議なことに、最後のほうには子どもたちが雑談もせず、一心不乱にくさびを打ち続け、場の空気や気持ちが1つにまとまってくるのを、毎回感じるのです。 今回も各回ともに大いに盛り上がりました。

 

木組みだけで組み立てる「鬼の橋」は子どもたちをはじめとして、担任の先生、校長先生、ALTのマーフィー先生も次々と無事に登り、大きな拍手が湧きました。何しろ、この橋は心が清らかな者しか渡れず、心が汚れた者が渡るとすぐに壊れるとの言い伝えがあるからです。

6年生が組み立てた8段の超巨大なくむんだーは、数日間体育館に残し、全校児童で遊びます。 「来年はもっと大きなくむんだーを組み立てたい!」との子どもたちの声に応えて、来年はさらに大きなくむんだーを持って行くことにしましょう!

 

※)ヘルメットに着用つきましては、熱中症対策や先生方との協議の上、判断しています。

<1年生・4年生>

<2年生・5年生>

<3年生・6年生>


■2022.10.3

<第30回 くむんだーワークショップ>

@郡上市立 明宝保育園(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

明宝保育園で「くむんだーワークショップ」と「くむんだーホームワーク」を行いました。

 

参加したのは、年長9名、年中5名、年少4名の計18名。4~5歳児でもしっかりとクサビを打てますので、組み立てに参加することができます。組み立ての初めのうちは怖くて、なかなか高いところで作業できませんでしたが、最後のほうにはみんなは次々とてっぺんまで登れるようになりました。

昔の建物は釘を使わずに建てられている、と言われますが、実際に骨組みの部分は釘を使わずに、木と木を組み合わせるだけで組み上げます。「くむんだー」を作ることによって、まさにそのことを体感できます。

 

今回は木で作る橋の仕組みも紹介しました。『大工と鬼六』という昔話があります。尻込みする腕のいい大工に代わって、鬼の鬼六が大雨でも決して流されない橋をたったの1日で作ってしまいます。鬼六はその代償に、大工に「おまえの目玉をよこせ」と要求します。さて、大工の運命はどうなるか?と、話し出すと、子どもたちは食い入るように話を聞きます。その鬼六が作った橋を子どもたちの目の前で、あっという間に再現させます。しかし、この橋は心がきれいな者しか渡れないという。さて、みんなが渡ると一体どうなるのか?子どもたちは大興奮です。

 

子どもたちは何事にも興味を持って、全力でワークショップに取り組んでくれました。これからの約1か月間、子どもたちは「くむんだーホームワーク」でたっぷりと遊びます。私たちも子どもたちに新たなパワーをもらった一日でした。


■2022.09.26

<第29回 くむんだーワークショップ>

@郡上市立 吉田小学校(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

吉田小学校では昨年に引き続き、2回目となる「くむんだーワークショップ」を開催しました。

午前・午後に3回のワークショップを全校児童89名と行いました。

 

(1・2時間目)

・1年生 11名 6スパン×6スパン×5段

・4年生 14名 6スパン×6スパン×6段

 

(3・4時間目)

・2年生 12名 6スパン×6スパン×5段

・5年生 23名 7スパン×7スパン×7段

 

(5・6時間目)

・3年生 13名 6スパン×6スパン×6段

・6年生 16名 8スパン×8スパン×8段

 

学年と人数に応じて、くむんだーの大きさを変えて組み立てに挑戦しました。

 

初めての1年生を除いて、みんな2回目となるので、組み立てはじめると段々と感覚を取り戻し、俊敏な動きを見せる子供もいました。 組み立てが終わった時点でレクチャーを行いますが、小学生に対しては木構造について詳しく説明します。 くむんだーの構造は伝統的な木造建築をモデルに作ってあるのですが、今回から白川郷の合掌造りの説明を加えました。

 

身近な木材や材料を使い、仕組みはシンプルだけど大きくて強く、耐久性のある建築物を日本人は自らの手で作り上げてきました。それをまさしく体験・体感できる良い機会となったと思います。

 

※)ヘルメットの着用つきましては、熱中症対策や先生方との協議の上、判断しています。

<1年生・4年生>

<2年生・5年生>

<3年生・6年生>


■2022.09.13

<第28回 くむんだーワークショップ>

@郡上市立 石徹白保育園、石徹白小学校(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

石徹白保育園児12名、石徹白小学校児童13名の計25名の合同での「くむんだーワークショップ」を開催しました。

今までのワークショップでは、山や木の話をすることが多かったのですが、今年は木構造に主眼を置いて、子どもたちに分かりやすく話してみようと思っています。「くむんだー」のつくりは、京都清水寺の舞台と全く同じ構造になっています。

その説明は今まで通りするのですが、日本人が木を使って建物をどうやって作ってきたのかを説明するために、今回からさらに橋を加えました。日本で一番美しい木造の橋は、山口県岩国市の「錦帯橋」です。写真を子どもたちに見せたら、すぐに「錦帯橋!」と答えた児童がいるのには驚かされました。

子どもたちの目の前で即興で作った「鬼の橋」にはとても興味を持ってもらえました。実際に全ての子どもたちに上に乗ってもらい、その強さを体験してもらいました。「くむんだー」の強さは、ワークショップを体験した子どもたちはみんな良く分かっています。シンプルな木の構造で、これだけの強さが出せることに、みんな一様に驚きます。

 

さて、保育園や幼稚園での「くむんだーワークショップ」と「くむんだーホームワーク」は以下のスケジュールで行っています。

 

・)午前中の「くむんだーワークショップ」で園児が、くむんだーの組み立て・解体を体験する。午後に「くむんだーホームワーク」用のくむんだーをスタッフが組み立てる。

 ↓

・)その後1か月間ほど保育園にレンタルする。

 ↓

・)ワークショップに参加した子ども(たいていは年長・年中児)だけでなく、年少児・未満児など、全ての園児に「くむんだー」で遊んでもらえる。

 ↓

・)「くむんだーホームワーク」開始約2週間後に、点検を兼ねて園を訪れ、滑り台と踏板を設置する。このタイミングに合わせて「クミノワークショップ」を子どもたちと行う。

 ↓

・)残りの2週間、園児たちは滑り台付きの「くむんだー」と「クミノ」でたっぷりと木に触れて遊ぶ。

 

皆さんも是非「くむんだー」と「クミノ」で遊んでくださいね。


■2022.08.19

<第27回 くむんだーワークショップ>

@郡上市立 はちまん幼稚園(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

令和4年度の郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務の第1回目として、はちまん幼稚園にて「くむんだーワークショップ」を開催しました。

参加したのは年長(きりん組)の11名。みんな元気いっぱいに、くむんだーの組み立てと解体を行いました。

昼食を挟んで、午後からは郡上市産の杉と桧で作った積み木「クミノ」のワークショップを行いました。「クミノ」はただ積むだけではなく、組み合わせていろいろな形を作ることができる、とってもユニークな積み木です。子どもたちはキリンやお花、ロボットを作ったりと自由な発想で楽しみました。

最後には全員で大きなお家を作り、みんなで扉を開ける合言葉「ひらけ!ごま!」を大きな声で心を一つにして叫びました。すると不思議なことに、本当に扉が開くんです!

1ヶ月間の「くむんだーホームワーク」の期間中、子どもたちは「くむんだー」と「クミノ」の両方でたっぷりと遊びました。令和4年度の郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務では、市内の6保育園・幼稚園と6小学校の計12ヶ所を巡回します。楽しみにしていてください!


■2022.03.08

<第25回 くむんだーワークショップ>

@社会福祉法人 愛育会 美濃保育園

美濃保育園での「くむんだーワークショップ」は今年で3回目となりました。 もともと2月に予定されていたのですが、2度3度と延期となり、もうこの日がダメなら今年の開催は見送ると言っていた園長先生の熱い思いが通じ、無事開催することができました。

 

当日の様子は、3月9日の岐阜新聞に紹介されましたので、そちらの記事を転載します。

 

○ <令和4年3月9日 岐阜新聞 中濃地域版>

美濃市吉川町の美濃保育園で8日、木製ジャングルジム「くむんだー」を組み立てて遊ぶ体験が行われ、年長児34人が2組に分かれて楽しんだ。

「くむんだー」は滋賀県の工務店が開発した木製玩具。柱と、柱に差し込む横木の貫、隙間を固定するくさびの三つの部材で組み立てることができ、簡単な作業で、伝統的な日本の木造建築の構造を学べるツールとして、教育現場などで活用されている。今回、郡上市の大工や製材会社らでつくる「くむんだー郡上」が指導役を務めた。

園児はヘルメットを着用し、木づちを手に大工になりきって作業。「カンカン」というくさびを打ち込む音が部屋に響き渡り、あっという間に高さ3㍍の大型ジャングルジムが完成した。ジムで遊んだ後は解体にも取り組んだ。 参加した横井桜ちゃん(6)は「難しくなかった。楽しかった」と喜んだ。くむんだー郡上のメンバーでカネサダ番匠(郡上市吉野)の兼定裕嗣さんは「木づちの音、木の手触り、においなど五感を使って木の良さを体験してもらえて良かった」と話した。

(佐名妙予)

<AM:午前の部>

<PM:午後の部>


■2022.01.13

〈第24回くむんだーワークショップ〉

@郡上市立三城小学校(令和4年度郡上市木製ジャングルジム体験指導委託業務)

郡上市立三城小学校では全校児童127名でのワークショップを行いました。

全学年ごとに1つづつのくむんだーを組み立てましたので、午前・午後の3回にわたり合計6台のくむんだーが姿を現しました。我々スタッフも総勢9名(市役所員を含めると10名)で臨みました。

 

学年ごとに大きさを変え、1~3年生は6段、4・5年生は7段、6年生は8段に挑戦しました。6段では最上段の高さは2.5mを超えますが、8段ともなると優に3mを超えます。最初は様子が分からずに戸惑っていた児童も、クサビを打ち出して慣れてくるとみな上段に登って一心不乱にクサビを打っていました。

 

児童からは終了後に感想を貼り付けた素敵な寄せ書きをいただきました。他校の児童からの感想文も含め、別の機会に紹介したいと思います。

 

今回は三城小学校の山下校長先生の感想をご紹介させていただきます。

 

「1月13日ですが、大変お世話になりました。 この『くむんだー』ですが、実際にやってみて、本当に感動しました。 ふるさと郡上の森林や木々について、建築の方法やそれを活用してきた方々の職業人としての生き方など、まさに『郡上学』(注:各学校で進める、郡上の歴史や文化を先達から学ぶ一連の学習)であり、子                    どもたちにとって大変貴重で、見方が変わる体験になったと思います。また、子どもたちが力を合わせ、一つのものを創り上げていく活動自体こそ、学校で目指している大きな要素であり、すごくありがたかったです。本当にすばらしい活動をさせていただき、ありがとうございました。 子どもたちの生き生きとした表情、楽しく遊んでいる様子を見て、ぜひ来年度もお願いしたいと思います。」

 

3回にわたるワークショップ中、山下校長先生はずっと子どもたちと一緒に参加され、楽しそうにクサビを打たれる姿が印象的でした。最後には大雪となり、吹雪の中での積み込みとなりましたが、校長先生・教頭先生には最後まで手伝っていただき、誠にありがとうございました。

 

尚、令和4年度も三城小学校にてワークショップを行うことが決まっています。また全校児童の笑顔に会えるのを、楽しみにしています!

<1年生・4年生>

<2年生・5年生>

<3年生・6年生>